「昨日誕生日だったんです−」
と教えてくれた、中学生の女の子。
まーそうなのおめでとう!と、
持っていた(お手軽でごめんなさい!)いちごチョコをプレゼント。
ささやかな品ながら喜んでくれたようで、こちらの方が嬉しいくらい。
最初にその子に会ったのは、彼女がお姉さんのお迎えで
親御様についてきたとき。
多分まだ小学校低学年だった……月日の流れが高速すぎて茫然。
自習に勤しむ中学3年生たち。
いよいよ受験、ひとつのゴールが近いと思うと感傷もわき、
彼らの過去の姿がフラッシュバックします。
女の子ばかりのクラスで、最初は男の子ひとりで来てくれたなあ……とか、
もう単純に、声高かったのになあ!ちっちゃかったのになあ!とか。
今立派に自分の道を切り開こうとしている、
その凜々しさは眩しいほどです。
各学年に新年度(3月スタート)のご案内をしている最中。
現・高校2年生の子たちに「新高3 ●●様」と書いた封筒を渡したとき、
渡された皆さんも、渡した側の私も、ぎょっとしたような心持ち。
「高3……!(めまい)」
「こないだ中3だったのに!(愕然)」
この間中3って、そんなわけはないと解っているのですが、
でも本当にそんな気がしてしまいます。
この仕事では、成長期真っ只中の子どもたちに長く関わり合うことができます。
一番長ければ小学生〜中学生〜高校生。
変わりゆく姿、大人になる精神、一方で変わらない心根や笑顔。
いくたびも壁にぶつかり、そして乗り越えてゆく彼らを見るにつけ、
漏れるのは感慨深い溜息……
……でも。そう自分を戒めます。
成長は子どもの専売特許などと、甘えてはいけないだろうと。
前回コラムの「可能性」の話にも通じます。
「子どもたちには可能性があって素晴らしい」
「これからいくらでも成長できる子どもたち」
そんな言葉を安易に使っては、
大人であることを言い訳に、今以上の努力から逃げている、
ということになりかねません。
大人だろうが子どもだろうが、等しく全力を尽くす。
向上館がそんな場として在るよう、
残る2015年度も、来る新年度も、頑張ります。