今日の小6特進クラス国語。
「多角的なものの見方」をテーマに、
こんな課題に取り組んでもらいました。
Q1 小学校に制服を導入することに、賛成か、反対か?
まず、自分は賛成かどうかを問えば、みんな「反対」。
確かにそうでしょう。
今現在私服で通学している小6ですから、
制服に対してそれほど肯定的なイメージはありません。
「制服反対派」と「制服賛成派」が意見を戦わせるとして、
まずは反対派の意見を書いてもらいました。
反対だー!ってアピールするならどんなことを言えばいいと思う?
「制服の、良くないところ?
そうそう、それと?
「……私服の、いいところ!」
それぞれ色んな意見を出してくれました。
が、肝はここから。
じゃあ、自分の意見とは逆だけど、「制服賛成派」の気持ちで!
制服の良いところや私服の良くないところ、
制服に賛成する根拠を考えて書こう!
急に立場を逆転します。
こちらはやはり難産。
何せ自分とは逆意見ですから、悩む悩む……
でも少しずつ慣れてきたか、色々な意見が出始めました。
自分が「これがいい」って言うことは大事だけど、
それだけではなくて、
「逆の意見の人はこんな風に思うんだろうな」とか
「別の意見もわかるし大事だと思う、
それでも自分はこう主張したい、なぜなら……」とか、
自分の範囲だけに留まらない、
広〜〜いものの見方をできることはとても大切なんだよ。
そう伝えると、一生懸命に考えてくれる小6たち。
それでは「制服」で準備運動のできたところで、第2問。
Q2 中学校に弁当制を導入することに、賛成か反対か?
今みたいな給食を全部やめて、毎日お弁当になるとしたらどう?
と尋ねれば、こちらもやはり皆反対。
そこでまずは、「反対派=弁当はいや!給食がいい!」側として
理由を書いてもらいました。
「給食の方が、栄養バランスがいい」
プロの栄養士さんがついてるものね。
「弁当だと、親が作ってくれるとしたら、親が大変」
うんうん、朝もっと早起きして作ってくれるなんて、大変だよね。
「高い(お金がかかる)」
確かに給食費よりもお金がかかってしまいそうだね。
「運動会なんかで、お弁当を開くときのドキドキ感がなくなっちゃう」
……あ−本当だ!すっごくわかる!お弁当=特別な日じゃなくなる!
「お弁当は貧富の差が出る」
ひ、貧富の差……!すごい言葉が出た。
確かに実際、気になってしまうこともあるかもしれない。
「給食制度をやめたら、給食を作っている人の仕事がなくなって困る」
す、鋭い……!社会的な意見だな。
なんてやり取りの後、立場逆転。
「賛成派=弁当がいい!給食はいや!」側としての意見。
「お弁当には好きなものを入れてもらえる」
うん、お昼が楽しみだ。
「お弁当だと、見せ合いっこできる」
皆が違う献立だから、見るのも楽しい!
「お弁当なら好きな量に調節できる」
給食じゃ足りなかったり、逆に多すぎたり、ってあるもんね。
「給食だと自分の嫌いなものが入ってることがある」
それが大事だけど、好きなものの方が嬉しい!のは正直なとこだよね。
「給食は残りものが出て、もったいない」
全部キレイに食べ切れればいいけど、全部がそうはなってないものね。
「全員分の洗い物をまとめてするのが大変」
そうだね!お弁当なら、自分の分は自分で洗える。
……と、意見を行き来させるうちに強く感じたのが、
次第に「自分の感情や体験から離れた視点」が出てきていること。
「給食を作っている人」「全員分の洗い物」などは、
考える範囲を自分の周りだけにせず、
広く捉えてくれたからこその主張です。
ほんの短時間の取り組みなのですが、
子どもたちの視野がどんどん広がっていく様子が見て取れて、
子どもたちの吸収力や推進力って凄まじい!と
感じさせられました。脱帽です!